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応暦寺(おうれきじ)もまた里の寺である。

本堂はどこにでもあるような建物である。

かえって、この寺の裏山にある“堂の迫摩崖仏”のほうが見ごたえあるかもしれない。
仏の群像。しかし、そこに秩序がある。

「呼吸が穏やかになるのよ」

ガイドの鏡子さんがを言うことに賛成だ。
深い緑。すべてを浄化し、立ち返らせる緑のなかに仏はおられた。
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本堂はミニ資料館でもある。寺宝が惜しげもなく公開されている。

さっきから鏡子さんが鑑賞しているのは石のランプだ。

皮のない太鼓のようなものを二人の比丘(びく=僧侶)が背中に担ぎ、もう一人が下から支えている。その太鼓の空洞に火を灯していたわけなのだが、

その表情のユーモラスなこと。
つい、誘われて笑ってしまう。

「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しいのね」

鏡子さんは本当に楽しそうに笑う。
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